「八十八夜」という言葉。
聞いたことはあるけれど、一体なんの日で何をする日なのかを知らない人も多いでしょう。
農家の方、特にお茶を作っている方はみなさん知っているでしょう。
立春の日から「八十八日目」となる「八十八夜」は、春と夏のちょうど境目となる日です。
茶摘みの時期をこの日に行うという習慣があり、この日に新茶を飲むと長生きされると言われ、縁起がいい日として浸透しています。
この頃になるとスーパーやデパートなどで「新茶」という言葉を目にする機会も多いはずです。
ちなみに2018年の「八十八夜」は5月2日となります。
「八十八夜」ってどんな日?
「八十八夜」とは立春の日から数えて八十八日目となる日の事を言うのですが、なぜ「八十八日目」なのでしょうか?
その昔、農業に従事する人が多かった時代に、ちょうどこの頃が種まきや田植えの準備、茶摘みなど春の農作業を行う時期でもあったことから「八十八夜」という呼び名が定着したのだとか。
なぜ「八十八」なのか?「八十九」でもなく「八十七」でもなく「八十八」なのか?
農業に深い関わりを持っている人たちの間で主に浸透して行った「八十八夜」の「八十八」は「八」と「十」と「八」を組み合わせると「米」という漢字になります。日本人の主食である米はとても大切な農作物であることから「八十八夜」なったそうです。
また、「八」という数字は「末広がり」のカタチをしていることから縁起の良い数字とされてきたことお「八十八夜」となった由来のひとつだそうです。
さらに、八十八夜の数日後には二十四節気でいう「立夏」になることもあり、昔の人はこの時期に「夏の準備ををする」という目安として日常の中に浸透していたそうです。
八十八夜に摘んだ新茶を飲むと長生きする?
八十八夜の時期になると「新茶」という言葉を目にする機会が多くなってきます。
そして八十八夜に摘んだ新茶を飲むと長生きするという言い伝えがあるのですが、一体なぜなんでしょうか?
新茶は栄養価が高い
新茶は冬の寒い時期にゆっくりと養分を蓄えて春になると芽を出します。この芽吹いた茶葉には栄養価が高く、うまみ成分が多く含まれているそうで、新茶を飲むと長生きすると言い伝えられてきました。
昔の人はこういう知識を自然と知っているなんてすごいですね。
おいしい新茶の飲み方
新茶は栄養価が高く、さらにうまみ成分が凝縮されています。せっかく積んだ新茶のうまみ成分をよりしっかりと味わうためには、飲み方が大切なポイントとなります。
①まず、茶葉を急須に入れます。そして沸騰したお湯をいきなり急須に注ぐのではなく、一度湯呑みに注ぎます。お茶は沸騰した熱湯でなく少し冷ましたお湯で淹れることによって茶葉が開き、味がしっかりと出るそうです。また、湯呑みを温めておくという効果もあります。
②湯呑みに注いで少し冷ましたお湯を急須に入れます。
③30秒~40秒ほど持ち、その後2~3回急須を回しまし、湯呑みへと注ぎます。
④複数の湯呑みに注ぐ場合は、一つの湯呑みに一度に注ぐのではなく、少しすつ何度かに分けて均等に注いでいきます。
これがおいしい新茶を味わう飲み方です。
うまみ成分がたっぷり凝縮された新茶、飲むならその旨味を最大限に味わいたいですよね。
また、急須に注いだお湯は湯呑みに注ぐ時に残さずすべて注いでしまいましょう。そうすることで二煎目も美味しく飲むことができます。二煎目は直接急須にお湯を注ぎ、すぐに湯呑みへと注いでも大丈夫です。最初の段階ですでに茶葉が開いているので待つ必要はあちません。
新茶は渋みや苦みが少なく旨味が多いので、若葉のようなさわやかな香りががあり、とても飲みやすいんです。ほどよい渋みを楽しみたい場合は、最初に湯呑みにお湯を入れた際にあまり冷まさずに、急須へ注ぎやや熱めのお湯でサッと抽出すると良いでしょう。
この時期にしか味わえない新茶をぜひおいしい淹れ方で楽しみましょう。